サイレント時代からシェイクスピア作品は貴重な映画の材源となっていたが,戦後、大衆娯楽として映画産業が隆盛を迎えるにつれて娯楽ジャンル映画形式を活かしたシェイクスピア翻案映画が活性化した。本研究は、シェイクスピア受容のインターテクスチュアリティ研究の観点から,シェイクスピア受容批評の構築と検証を目指し、地域性や時代性を反映しながら、西部劇・ギャング映画・ミュージカル映画・時代劇等の娯楽ジャンル映画の枠組みの中でシェイクスピアがいかに古典としての力を保ちながら娯楽作品として国際的に翻案されてきたかを映画アーカイブ資料を利用して黒澤明映画と『テンペスト』受容事例のケーススタディから明らかにした。
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