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2011 年度 実績報告書

アメリカ文学に見る階級-お金と人種が織りなす格差

研究課題

研究課題/領域番号 22520254
研究機関佐賀大学

研究代表者

早瀬 博範  佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (70173052)

キーワード階級 / 資本主義 / エスニック / ジェンダー / 地域性 / 経済格差
研究概要

本年度は、次の3つの観点から、文学作品における階級をテーマに研究を行った。すべてを米国ブランダイス大学のジェニモア教授の指導のもと行った。
「人種・エスニシティーによる階級形成」
多民族国家アメリカでは、人種やエスニシティーの差異が「階級」を形成している。人種と階級がどのように結びつつくかについて、具体的に黒人作家の作品において研究を行った。結果、経済格差は、エスニック集団に属する人間たちには、さらに苛酷な状況を強いることになることがわかった。
「ジェンダーによる階級形成」
白人優越主義という人種のイデオロギーに凍てついた南部においては、特にアフリカ系アメリカ人女性は、まずアフリカ系アメリカ人ということで、差別の対象とされ、さらに、家父長制の強い風習を反映した結婚生活においては、夫に性欲のはけ口としての存在のみという扱いを受けて逆待される境遇に閉じ込められている。具体的には、黒人女性作家、トニー・モリスンについて研究を行い、論文を作成した(来年度出版)。
「地域性による階級形成」
ジェンダーや人種の他に、階級の考察において無視できない重要な問題は、地域の特異性に絡まってくる問題である。南部の作家フォークナーについて具体的に研究を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ計画通り、進行している。ただ、本年度は、関連の論文一本と、「労働と文学」を論じた書評を執筆したが、いずれも来年度の出版となっている。

今後の研究の推進方策

今後は、これまでここの作品で行ってきた研究を、精力的に論文として刊行することが課題である。最終年の課題とする。

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公開日: 2013-06-26  

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