研究課題/領域番号 |
22520265
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
英 知明 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (60218518)
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キーワード | シャーリー / 校訂本 / 編纂 / 英国演劇 / ジェイムズ朝 / 英文学 / 書誌学 / 全集 |
研究概要 |
本研究は、ジェイムズ・シャーリー全集収録喜劇の現代校訂本を編纂することを目的とする。その遂行のため最重要な課題は、作品の基盤となる戯曲本文の確立である。そのため平成23年度も、昨年から継続して英国へ研究調査に赴き、各図書館を精力的に巡った。旅費が多額を占める所以である。調査を行ったのは、大英図書館、ケンブリッジ大図書館、トリニティ、セント・キャサリンズ学寮図書館、オクスフォードのボドリアン図書館、大学英文学科、オール・ソウルズ、ウスター学寮図書館など。各図書館に保管されている1652年刊行のオリジナル古版本*Six New Plays*に含まれる本文の異同に関して全ページで本文調査を行った。またV&A美術館やカーライル大聖堂所蔵書のデジタル写真版も使用して、40箇所近い異同を確認できた。昨年よりもコピー数が多くなり、本文校訂の精度は格段に上がったと言える。 また当該喜劇の本文確立作業以外では、5幕ある作品の第1幕について、本文およびその異同、また欄外の註釈を施したサンプルシーンを作成した。これを編集主幹のダラム大バーバラ・レイヴェルホファーに送り、検証を受けた。第1幕を改訂の後、今後は第2幕から5幕までの本文作成と異同の記載、註釈を施す予定である。 このほか、当時の役者と劇団の関係性を探索するため、女王一座の役者サイモン・ジュエルの遺書に焦点を当て、これまで解明されて来なかったいくつかのポイントを明らかにした。これは秋の日本シェイクスピア学会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年10月より、学部役職の仕事をこなす立場に立つことになり、学部内の様々な委員会等の仕事が予想を超えて増加したため、研究に割く時間が当初目的より下回っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究を予定通り推進させるために、2012年度は学部で担当する授業時間数を一部減らし、いっそうの研究時間を確保する態勢で臨むこととなった。要は学部の役職に就きながらも研究に割ける時間を以下に確保するか、ということだけが問題なのであって、根本的な研究遂行のための障壁は存在しない。
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