研究概要 |
科研費交付の期間内に次の三点を明らかにした。1)日本における西洋人劇団の上演、とくに1891年に来日したミルン一座と1912年に日したウィルキー一座のシェイクスピア上演を国内外での資料収集をもとに明らかにした。2)明治・大正期の日本の知識人が西洋人劇団のシェイクスピア上演をいかに受容したかを他のアジア諸国、とくに帝国主義の一環として受容せざるを得なかったインド等と比較して明らかにした。3)明治・大正期の日本の知識人の文化的アイデンティティーを、彼らの西洋人劇団によるシェイクスピア上演に対する印象の変遷から紐解いた。 以上の成果を2012年11月にマレーシア・ペナン島で行われたThe 2nd International Conference on Linguistics, Literature, and Culture 2012で"When the East meets the West: Shakespearean Productions by Travelling Companies in Asia"として発表した。この発表原稿に加筆し、「東と西のあいだでー坪内逍遥のハムレット公演(1911年)」として『シェイクスピア・プリズムー英国からルネサンスへ』(星久美子編、金星堂)に寄稿した。出版は2013年4月である。
|