本研究は、中世イギリス神秘主義作品と、それ以外の宗教散文作品のテクストに、語用論研究で提唱されたポライトネス・ストラテジーや談話ストラテジーの分析方法を応用することで、それらの作品の関係をマッピングしようとするものである。研究の結果、各作者が用いたストラテジーに共通点が見られるとともに、相違点も見られることが明らかになった。 研究の過程で、神秘主義作品と他のジャンルとの関わりは、これら二つのストラテジーの分析だけではなく、より様々な側面からの分析を適用して考えるべきものであると考えるようになったので、筆者の読者に対する説得的ストラテジーの分析も研究対象に加えて研究を進めている。
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