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2010 年度 実績報告書

メタファーとメディアの相互性に関する研究―近現代ドイツ圏の場合

研究課題

研究課題/領域番号 22520290
研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 純一  北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (30216395)

研究分担者 佐藤 拓夫  北海道大学, 名誉教授 (20091457)
吉田 徹也  北海道大学, 名誉教授 (80003531)
高橋 吉文  北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (20091473)
山田 貞三  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50128237)
西村 龍一  北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10241390)
キーワードメタファー / メディア / テクスト論 / 批評理論
研究概要

本年度は研究計画に従い、「メタファー」と「メディア」の構造的な類似性及び概念的な相関性に関する仮説を暫定的に設定し、その枠組みから可能となるテクストや芸術表現の分析の射程を理論的に把握することを課題とした。研究の結果、まず、長年にわたるメタファー研究史において、重点の置き方には違いがあるにせよ、多くの研究が「メタファー」の構造に意味の二重化を認めていること、および、その二重化後の処理には「接続」と「切断」という相反する二つの方向性が含意されていることが確認された。次いで、理論的な「メディア」解釈においても、多くの場合、表現の違いはあっても上記の「接続」と「切断」を中心的な機能とみなしており、言い換えれば、「同一化」と「差異化」の二重性を内包していることが認められた。しかし、このような構造的かつ機能的な類似性にもかかわらず、「メタファーとメディア」両者を結びつけようとする研究がほとんど進んでいなことも明らかになった重要な知見の一つである。この類似性を、相互依存的な概念としてより精緻に定式化していくことが次年度以降の本研究の理論的な課題として浮かび上がってきている。また、パイロット調査として、世界史における交換様式という思想形式、メディアのネットワーク性に関するテクスト、宗教的神話の解釈術とリアリティ、映像芸術作品におけるメタファー的な手法などの具体的な分析を行ったが、いずれもメディアとメタファーの相互的な関連性を基礎的な要素として認めることができた。先に挙げた理論的な視点に基づいたこのような具体的テクスト・作品分析の積み重ねは、本研究の次年度以降の中心的な作業として計画されており、その結果は随時「メタファー」と「メディア」の概念的な規定と構造的・機能的な把握にフィードバックされる。

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公開日: 2012-07-19  

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