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2010 年度 実績報告書

「在外ドイツ人研究」の制度化と禁忌化―マイノリティ論から見たゲルマニスティーク―

研究課題

研究課題/領域番号 22520293
研究機関東北大学

研究代表者

藤田 恭子  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (80241561)

研究分担者 鈴木 道男  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20187769)
キーワード在外ドイツ人 / マイノリティ / ゲルマニスティーク / ナショナリズム / ルーマニア / カール・クルト・クライン / リヒャルト・チャーキ / ハインツ・キンダーマン
研究概要

「在外ドイツ人」を意味するAusland(s)deutscheやAusland(s)deutschtum等の語は、ドイツやオーストリア等主要ドイツ語圏の外に居住しドイツ語を母語とするドイツ系マイノリティを指す用語であり、第二次世界大戦終結までは広範な学術分野における鍵概念だった。だがその政治性ゆえに、この分野は第二次世界大戦後に一転して禁忌化された。本研究では、ゲルマニスティークを中心に「在外ドイツ人研究」の資料を再発掘し、その学術的意義を検証するとともに、その政治的機能等を、当該マイノリティが置かれていた政治的、社会的文脈をも踏まえて再検証しようとしている。
研究計画に基づき、「在外ドイツ人研究」一般およびルーマニアのドイツ系マイノリティ出身研究者に関する資料・情報の収集と整理に重点を置きつつ、これらの資料をもとに、実証性を中心とする学術的意義の検討に着手している。ただし、3月中旬から末にかけてルーマニアのシビウ、ブラショフ、クルージ・ナポカおよびウィーンの関係諸機潤で調査と資料収集を行う予定であったが、出発直前に東日本大震災が発生したため、出張を断念せざるをえなかった。しかし準備のため、ルーマニア・アカデミーのシビウ支部、ルーマニア・プロテスタント教会中央文書館、ホンテルス教会文書および図書館、バベシュ・ボヤイ大学独文科等関係諸機関や研究者と緊密に連絡をとり、重要な情報提供を仰いだ。来年度、これらのネットワークを最大限に生かし、計画実施の遅れを取り戻す見通しである。なお、並行して、ドイツ・オーストリア出身の研究者についても資料収集を行い、来年度に予定している分析のために資料を確保しつつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「周縁」からの声の行方-『ぶな-ブコヴィナのドイツ語ユダヤ文学アンソロジー-』の出版をめぐって-2011

    • 著者名/発表者名
      藤田恭子
    • 雑誌名

      ドイツ文学(日本独文学会)

      巻: 142 ページ: 227-235

    • 査読あり
  • [学会発表] コミュニティの破綻とマイノリティ文化の再編-東欧革命後のルーマニア・ドイツ語文学-2010

    • 著者名/発表者名
      藤田恭子
    • 学会等名
      日本独文学会秋季研究発表会・シンポジウム「ドイツ語圏文化の現在-ベルリンの壁崩壊・東欧革命後20年の変化を読む-」
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2010-10-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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