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2012 年度 実績報告書

近代日本とロシアの文化交流史に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520294
研究機関埼玉大学

研究代表者

澤田 和彦  埼玉大学, 教養学部, 教授 (70162542)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード日露関係史 / 日露交流史 / 日露文化交流 / ゴンチャローフ / 二葉亭四迷 / ピウスツキ / 白系ロシア人 / マトヴェーエフ
研究概要

平成24年度は、主として以下の諸点に取り組んだ。
1. プチャーチン提督の秘書として1853年に長崎に来航した作家ゴンチャローフの『日本渡航記』にうかがわれる、ロシア人の観た幕末の日本及び日本人観。 2. 市川文吉、黒野義文、二葉亭四迷、川上俊彦等、東京外国語学校魯語科関係者のロシアとの関わり。 3. 明治期に来日したコレンコ、グレー、ケーベルといった東京外国語学校、東京帝国大学、東京音楽学校のロシア人教師や、B.ピウスツキ、N.K.ラッセル、B.D.オルジフのような亡命ロシア人、ポーランド人の日本における事跡と日本観。 4. 日本の環日本海地域、北海道と、極東ロシア、サハリンとの関わり。 5. 樺太・千島交換条約と日露戦争の有する文化史的意義。 6. 1917年のロシア革命後に来日した白系ロシア人の事跡調査
モスクワの在外ロシア会館で第6点について講演と資料収集を行ない、ペテルブルグのロシア科学アカデミー・ロシア文学研究所と東洋古文書研究所で開催された二つの国際会議でそれぞれ第6点について報告した。また平成23年度に埼玉大学で開催した第3点のピウスツキに関する学術セミナーのまとめとして、日英二カ国語の論文集を編集、刊行した。さらに福井県文書館、福井県立図書館、早稲田大学図書館、国立国会図書館、多摩霊園で上記全6点に関する調査と資料収集を行った。
第3点について編著書をロシアで1冊、日本で1冊、第6点について論文を日本で1本、ロシアで1本、招待講演をロシアで1本、学会発表をロシアで2本、日本で1本、第1点について招待講演を日本で1本行なった。また二ヶ月に一度「来日ロシア人研究会」を開いて日本人・ロシア人研究者と情報交換を行なった。
謝金を用いて外務省外交史料館所蔵の来日ロシア人に関する史料のデータベース作成のための作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の交付申請書の「研究の目的」欄には平成24年度の具体的な研究実施計画として計8点挙げたが、「研究実績の概要」で述べたように、そのうち6点について編著書と論文を発表、講演、学会で報告、さらに調査、資料収集を行なって、研究を進展させることができた。他方、残り2点については進展があまり見られず、これらについては次年度に取り組みたい。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、本研究遂行の4年間の研究成果のみならず、これまで約30年間にわたって書きためてきた論文のうち本研究課題に関わるものに、その後入手した資料を用いて大幅な増補・改訂の手を加え、また新たに論文を3本書き上げて、論文集としてまとめたいと考えている。
従って、平成25年度は資料の精読と論文の執筆が中心となるが、依然として不足している資料の収集も行ない、研究補助も活用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 島尾敏雄と長崎のロシア人2012

    • 著者名/発表者名
      沢田和彦
    • 雑誌名

      ドラマチック・ロシアin JapanII

      巻: 単行本 ページ: 10~31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Н.П. Матвеев в харбинском журнале "Рубеж"2012

    • 著者名/発表者名
      Савада Кадзухико
    • 雑誌名

      Россия и Япония: гуманитарные исследования: материалы III российско-японской конференции

      巻: 単行本 ページ: 164~179

  • [学会発表] Н.А. Невский в документах тайной политической полиции Японии

    • 著者名/発表者名
      Савада Кадзухико
    • 学会等名
      招待講演会
    • 発表場所
      Москва, Дом Русского Зарубежья имени Александра Солженицына
    • 招待講演
  • [学会発表] Гончаров в русском зарубежье в Китае

    • 著者名/発表者名
      Савада Кадзухико
    • 学会等名
      Международная научная конференция, посвященная 200-летию со дня рождения И.А. Гончарова
    • 発表場所
      СПб, Институт русской литературы РАН
  • [学会発表] Н.А. Невский в документах тайной политической полиции Японии

    • 著者名/発表者名
      Савада Кадзухико
    • 学会等名
      Невские чтения. Международный симпозиум в честь 120-летию со дня рождения Н.А. Невского
    • 発表場所
      СПб., Институт восточных рукописей РАН
  • [学会発表] ロシア人の観た幕末日本 : プチャーチンの来航とゴンチャローフ『日本渡航記』

    • 著者名/発表者名
      澤田和彦
    • 学会等名
      東洋文庫ミュージアム企画展記念公開講座第1回「幕末日露関係史の最前線 : もっと北の国から日本への熱き視線 !」
    • 発表場所
      東洋文庫ミュージアム
    • 招待講演
  • [図書] 埼玉大学教養学部 リベラル・アーツ叢書5 ポーランドの民族学者ブロニスワフ・ピウスツキの生涯と業績の再検討2013

    • 著者名/発表者名
      沢田和彦
    • 総ページ数
      131
    • 出版者
      埼玉大学教養学部
  • [図書] Бронислав Пилсудский. Японские заметки2012

    • 著者名/発表者名
      К. Савада
    • 総ページ数
      122
    • 出版者
      Южно-Сахалинск: ГБУК "Сахалинский областной краеведческий музей"

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公開日: 2014-07-24  

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