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2011 年度 実績報告書

ギリシャ悲劇の歌の、韻律にもとづく類型学

研究課題

研究課題/領域番号 22520298
研究機関東京大学

研究代表者

逸身 喜一郎  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 名誉教授 (40107420)

キーワード西洋古典 / ギリシャ悲劇 / 韻律
研究概要

本研究の最終目的は、ギリシャ悲劇の歌の部分(コロスが歌うスタシモン、俳優の歌うコンモスといわれる部分、などを含むすべて)を三大悲劇詩人の全作品から収集し、それらの韻律を個別に分析して叙述したのち、歌全体を韻律的に分類することを試みることである。つまり韻律をもとにした、悲劇の歌の類型学(タイポロジー)である。その最大の特徴は、歌を構成する個々の行の韻律分析にとどまらず、歌を全体として把握して、どの歌とどの歌とが似通っており違いがあるとすればいかに違うのかを叙述することにある。
研究方法は、おおむね次の順序で進行する。
1 歌の収集。歌い手による分類。
2 それぞれの歌の行毎の韻律分析。
3 同一韻律の行の収集。傾向の把握。
4 歌毎の特色を示す基準の摘出。
5 歌の類型の把握。
今年度は前年度にdochmiacsを中心とする歌に的を絞って分析を開始したやりかたをふまえ、iambicsに焦点をあてて、分析と分類とを実施した(上記2ならび3)。dochmiacs,ならびにiambicsが混交している詩行、あるいはancepsと単語の関係など、細部の問題に興味深い考察がえられつつあるが、それとともに分類ないし叙述の困難さに直面している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

iambicsを中心とする歌に的を絞って分析を開始したところ、個々の詩行の傾向のうち、ancepsにみられる長短の傾向の分析が、いまだじゅうぶんに説明されつくしていない法則と関係がありそうに思えるのでそれにこだわってしまったから。ただしこのことはおそらく本研究とは別個の論文としていずれまとめられるであろう。また東日本大震災の余波で、ヨーロッパの図書館に行きそびれてしまった。

今後の研究の推進方策

当初の計画に戻って、歌全体の分類方法を確立する手段を探すべきと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] ラテン文学を読む_ウェルギリウスとホラーティウス2011

    • 著者名/発表者名
      逸身喜一郎
    • 総ページ数
      xii+230
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2013-06-26  

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