研究概要 |
平成23年度は,まずは前年度に行った調査研究の成果を分析・検証しつつ,さらに未収集の文献,資料の発掘,収集を継続して行った。 研究代表者の吉田は,平成23年9月4日~13日にかけて,主にパリの国立図書館において,前年度に確認したシャンソン関係の豊富な資料の所在を継続して調査し,いくつかの部門に散在する多種多様な資料の保管状況を把握し,貴重な文献,資料を下記のとおり参照することができた。 草稿部門の1852年に収集されたシャンソン集,哲学・歴史・人文部門の1851年~1950年にかけて出版された譜面付シャンソン歌詞,文学・芸術部門の19世紀に刊行されたシャンソン集,版画・写真部門のシャンソン関連のポスターや写真,とりわけ音楽・舞台芸術・視聴覚部門の歌謡関係出版事情及び蓄音器等のコレクション等々。 研究分担者の三木原も,19世紀末~20世紀初頭にかけて隆盛したカフェ・コンセールやミュージックホール関連の文献・資料の収集のため,平成24年2月22日~3月6日にかけて調査旅行を行い,未収集だった下記のような貴重な文献を入手することができた。 ・Robert Brecy : Autout de la Muse Rouge : Groupe de poetes et chansonniers revolutionnaires ・Robert Brecy : La chanson de la Commune : chansons et poemes inspires par la Commune de Paris ・Champfleury : Chansons populaires des regions de France また,5月27日に信州大学で,10月28日に神戸大学でシャンソン研究会を開催し,研究成果の発表をそれぞれ行い,研究誌『シャンソン・フランセーズ研究』第3号を刊行し,研究成果の一部を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査研究で得た知見と収集した文献・資料の精査・分析を進めるとともに,5月に関西学院大学において,また11月に信州大学において研究成果の発表と,シンポジウム及びパネルディスカッションを開催し,内外の研究者と討議し,研究成果を研究誌に発表する。併せて3年間の研究の蓄積を,DVD,CDによる発表も含めて最終的に報告書としてまとめたい。
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