研究課題/領域番号 |
22520308
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田邊 玲子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80188367)
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研究分担者 |
トラウデン ディーター 京都大学, 人間・環境学研究科, 外国人教師 (20535273)
クラヴィッター アルネ 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 准教授 (90444778)
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キーワード | ドイツ文学 |
研究概要 |
2011年度は、研究分担者が個別に本研究のテーマについての研究を進め、ドイツにおいて資料調査・収集および研究者との学術交流も行ったほか、こうした活動をふまえながら計2回の研究会を持ち、とくに非物質的/非身体的なもののさまざまな定義や領域について検討した。 トラウデンは中世における魂と身体の関係について、とくに、魂がいかにして身体と相互干渉関係を持ちうるのかという議論および、キリストの復活した身体が非物質的身体であるという議論をアウグスティヌス、トマス・アクィナスを中心に検討した。クラヴィッターは影という現象に焦点をあて、プラトンの洞窟の比喩にはじまり、プリニウスが伝える陶工ブタデスの物語(娘が壁に描いた恋人の影を彫像となした)、18世紀のラーヴァーターのシルエット、影絵芝居、ロマン派のシャミッソー(『ペーター・シュレミール』(1814))、ユスティヌス・ケルナー(『旅の影』(1811)などを検討した。これまで研究でまったく顧慮されてこなかったが、1770年代にはドイツ演劇において影絵芝居が普及していたことをあきらかにした。田邊は18世紀の「人間」の条件としての魂と身体との関係の変化を、当時の自然科学、通俗哲学、芸術、文学などの言説から通観した。大学院博士後期課程の研究協力者久山雄甫は、19世紀のエーテルについての観念および動物磁気について、資料収集と分析を行った。 本年度は、当初計画していたとおり、具体的な文学・哲学テキストを検討しながら議論を進めることができ、昨年度の本研究の遂行にとって必要な共通基盤の構築に基づき、個別テキストの研究に着手することができたほか、研究会の開催回数は、当初予定していた4回ではなく、2回となったが、集中して討議を行い、概念定義についても議論を深め、本年度の研究目的は達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者および協力者全員が個別に本研究における担当領域の資料調査・収集および検討をすすめたほか、全体でも議論を行い、ほぼ当初の計画どおり進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に各自の研究および全体での議論を重ねてゆくことで、今後の研究を順調に進めることができる。
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