研究課題/領域番号 |
22520308
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田邊 玲子 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (80188367)
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研究分担者 |
TRAUDEN Dieter 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), その他 (20535273)
クラヴィッター アルネ 京都大学, 高等教育開発推進機構, 准教授 (90444778)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ドイツ文学 |
研究概要 |
2012年度は、研究分担者が個別に本研究のテーマについて研究を進め、ドイツにおいて資料調査および研究者との学術交流を行ったほか、この問題に興味のある研究協力者を多数得て、シンポジウムおよびワークショップを開催した。 まず、2012年10月13日に中央大学で開催された日本独文学会秋季研究発表会にて「身体/物質と非身体/物質のあいだ」というテーマで、ドイツ語でシンポジウムを開催し、田邊が司会、トラウデンおよびクラヴィッターに他3名を加えた5人が発表をし、議論をした。トラウデンの発表は「キリスト教思想における非身体/物質的なものの諸相」、クラヴィッターの発表は「ドイツ文学の演劇ジャンルにおける影絵」というタイトルである。 さらに、同じテーマで国内外から原稿をつのり、集まった原稿15本につき、2013年3月16日に、国内外から17名が参加し、ワークショップを開催し、この問題について議論を深めた。ワークショップでの議論は、当日参加できなかった原稿執筆者にも後日報告した。 この二件の実行のために、本年度は研究分担者に研究協力者を加えた研究会および内容のすりあわせ等の打ち合わせを数多く開催したのに加え、メールでの意見交換も多数行った。こうした結果、ドイツ文学における身体/物質と非身体/物質的なものとの関係について、幅広いスペクトルが提供され、この問題領域の豊かさが確認され、新しい知見を得て、本年度の研究目的は達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者および従来の研究協力者全員が個別に本研究における担当領域の研究を進め、一定の結果を出したほか、新たに多数の研究協力者を得て、本問題領域を時代的、内容的に大幅に拡大して取り扱うことができ、それをシンポジウムおよびワークショップという形で共有し、議論を深めることができた。シンポジウムの開催は当初の予定通りである。多数の研究協力者を得たことは新しい展開であるが、この問題との取り組みの進行状況としては、当初の計画どおり進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度の研究成果をもとに、今後は、議論のなかで明らかになった、非身体/非物質性の定義等のさまざまな問題点を整理し、諸相の範疇化および関連づけを、時代的観点も含め、検討する。 また、シンポジウムの発表および寄せられた原稿のそれぞれについて、本研究のテーマとの関連づけをさらに掘り下げ、他の論文との関係性も考慮に入れ、密接な連絡をとりながら、改稿作業をすすめる。 また全体について検討し、不足の部分があれば、新たに原稿を依頼し、全体としてバランスのとれた構成を考えたうえで、本研究の成果の発表として、国際論文集発行の準備を行う。 したがって今後は、個別の研究の推進に加え、研究分担者と研究協力者相互の議論を発展させ、問題意識および全体像の共有とそれに基づいた個別研究のより有機的な展開と相互関連づけが重要となる。
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