2013年度は、まず例年と同じように、研究分担者が個別に本研究のテーマについてさらに研究を進め、うち2名はドイツにおいて資料調査および研究者との学術交流を行った。また、研究分担者3名に、研究協力者1名をを加え、4名で研究会を持つと同時に、メールでも意見交換を行った。さらに9月には、ドイツの研究者が来日したため、研究交流会を持った。昨年度末の2013年3月に、ドイツ語論文によるドイツ語でのワークショップを開催したが、このワークショップに寄せられて議論された原稿について、執筆者に対し、議論での指摘をもとに、改稿を依頼した。8月31日を締切としたところ、国内外から計7本の修正原稿が期日中に届いた。本年度の後半は、これらの原稿についての検討が4名の研究会で順次行われた。本研究の成果の発表として、ワークショップおよびシンポジウムの発表の論文に新規の論文を加え、ドイツにおける国際論文集の発行を目指したが、集まった原稿およびシンポジウムの発表原稿について慎重に検討を重ねた結果、最終的に、テーマがあまりにも分散しすぎており、また全体として量的にも本数が不足しているため、残念ながらドイツでの出版は時期尚早だという結論に達した。この点に関しては残念な結果になったが、メンバー個別の研究の進展および寄せられた論文の検討により、身体と非身体的なるものとの関係という問題領域の多様性が認識され、議論を掘り下げることができた。研究開始当初は茫漠としていたものが具体的なテーマ群として見えてきたことは大きな収穫である。なんらかのまとまった成果を上げるためには、今後改めて問題点を絞った上での多人数によるプロジェクトが必要とされるという認識で一致した。以上のように、本年も個別の研究を進めつつ議論を重ね、一定の結論を出し、本年度の研究目的は達成された。
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