初年度なので、資料の収集に意を用いた。日本国内では収集に困難があったので、ロシア連邦モスクワ・ペテルブルク(平成22年9月22日から10月6日、ロシア国立図書館、ロシア公立図書館、歴史図書館)、米国アーカンソー州リトルロック(10月28日から11月2日、アーカンソー歴史協会)、米国ハワイ州ホノルル(11月8目から同17日、ハワイ大学マノア校ハミルトン図書館)、ラトビア共和国リガ(12月23日から同28日、ラトビア大学図書館、ユダヤ文化センター、リガ・シナゴーグほか)、スペイン王国マドリッドほか(平成23年3月8日から同23日、予定、トレド市ユダヤ博物館、バルセロナ市ユダヤ博物館、ビルバオ市グーゲンハイム美術館資料室ほか)と外国出張を行い、図書館・公文書館などでユダヤ系ロシア文学に関する資料の閲覧・複写を行うとともに、関連文献を購入した。収集した資料の整理・データ化、分析を開始し、順調に進めている。初年度ではあったが新たな知見も相当に得られたので、ホノルルのアメリカ太平洋近代語・近代文学会年次大会および熊本の日本ロシア文学会全国大会、マドリッドで国際会議『神話と小説における価値の転倒』(予定)で成果発表の報告を行った。(ホノルルでは資料収集と成果発表を兼ね、旅費を節約した。)また、これも初年度ではあるが、これまでの研究蓄積に科学研究費を受けての研究成果を加味して、ハンガリーの学術雑誌に亡命ユダヤ文学に関わる論文を一点、すでに発表している。
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