1960年代以降大きく変化したドイツ啓蒙の研究史を整理し、ドイツ後期啓蒙における社交性のモチーフを、クニッゲを中心にして、カント、レッシング、シュライアーマッハーと関連させながら考察した。非ヨーロッパ世界に関しては、レッシング『カルダーヌス弁護』、『賢者ナータン』、ヘルダー『人類歴史哲学考』のテクスト分析を詳細に行い、非ヨーロッパに対して開かれた彼らの視点がどのように作品化されているかを明らかにした。これを通して、彼らとドイツ後期啓蒙における社交性のモチーフとのテクスト内在的な連関を明らかにした。並行して、森鴎外におけるレッシング受容、和辻哲郎におけるヘルダー受容を考察した。
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