研究概要 |
研究代表者は「リズムrhuthmos」という概念の起源と、その発生時点における形象とのかかわりをめぐる問題点を、ギリシャ哲学と近代の美学、哲学的考察を手がかりに再考する作業を始め、現在これを簡単なノートにまとめる作業に入っている。主要な参考文献はE. Benveniste, L. Bourassa, P. Sauvanet, H. Maldineyなどである。 初年度の具体的な成果としては、現代フランスを代表する詩人・哲学者であるミシェル・ドゥギーのリズム論について研究し、2011年3月フランスにおけるこの詩人を巡るコロキアムで、"Michel Deguy, penseur de rythme-figure"と題された発表を行った。美学的領域においては、2010年夏にベルンのPaul Klee Zentrumにおいてクレー、チューリッヒのAlberto Giacometti Stiftungにおいてジャコメティ関連の調査を行った。またこれ以外に、ポール・クローデルの「百扇帖」において、彼のリズム/形象を巡る考えがいかに表現されているかの検討も始めている。 研究分担者はシュルレアリスムを中心にリズムの問題もかかわる研究を進めた。2010年夏にフランスのサン=ディエ=デ=ヴォージュの図書館で、シュルレアリストのマクシム・アレクサンドルを巡る研究調査を実施した。これはこの詩人を巡るモノグラフィとして出版される予定である。
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