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2011 年度 実績報告書

詩的言語におけるリズムと形象(フィギュール)の相関関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520335
研究機関早稲田大学

研究代表者

丸川 誠司  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (70339612)

研究分担者 鈴木 雅雄  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20251332)
キーワード仏文学 / 美学
研究概要

研究代表者はまず、2011年3月上旬にフランスの現代詩人・哲学者のM. ドゥギーを巡ってボルドーで開かれたシンポジウムで発表した原稿を大幅し加筆修正し、"Pensée de rythme-figure"(「リズム=形象の思考」)とい論文を執筆した。これは、このシンポジウムの論叢に収録され、原則後日出版される予定である。代表者は次に、このフランス語の論文から派生した論文として、「リズム」の語源と「形」の相関関係、及びそれを巡る問題が、芸術作品の創造の基本と、とりわけ抒情詩にどうかかわってくるかについてのより一般約な考察を含む「リズムと形を巡るノート」という日本語のテキストを執筆した(紀要論文)。その後は、この問題系の具体例の一つとして考えることのできる、P. クローデルの詩論、及び特に日本で書かれた「百扇帖」の研究に入り、2012年2月に渡仏、フランスでその草稿研究及び関連資料の収集を行った。「百扇帖」の草稿と完成本を比較すると、この詩集の特徴である書道的な実践は後から構想されたもので、最籾は(日記のメモを除けば)むしろ衝動的に書かれたものであると考えられる。この点をふまえ、短長格を根幹とするクローデルのリズム論、ないし「呼吸」の主題(ないし陰陽思想から得たであろうヒント)などが「百扇帖」に反映されている可能性を考察していく段階に入っている。
この一方で、研究分担者はくリズム単位>という概念についての考察を通じて、アンドレ・ブルトンにおける詩的言語ならびにそれを支える思想と、美術論における形象概念との関係を研究した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

春から秋にかけ、以前の科学研究費の成果となる編著を同じく学術娠興会の助成金を得てまとめる作業があったが、実際の出版にこぎつけるのにずいぶん難渋し、現在進行中の科研費の計画を思うように進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

美学(ないし造形芸術)に関するリズムの問題系の研究にはまだ取りかかれていないので、時間の配分等を考え、この点をもう少し具体的に進める糸口をつかむ必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] リズムと形を巡るノート2012

    • 著者名/発表者名
      丸川誠司
    • 雑誌名

      学術研究

      巻: 第60号 ページ: 353-371

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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