研究課題
本年度は、アルジェリアの現代文学状況の概観を得、今後の研究の基礎とするために以下の研究活動をおこなった。1.文献研究:アルジェリアの文学の中心であるフランス語表現文学について、植民地時代および独立後の文学史の概観、背景となる歴史の再認識、言語・社会状況の調査をおこない、基礎知識を固めた。独立前の時期の創始期の古典作家(ムールード・フェラウン、カテブ・ヤーシーン、ムハンマド・ディブ、ムールード・マムリ、マレク・ハッダドら)、独立後の模索期の作家(ラシッド・ブージェドラ、アシア・ジェバールら)、90年代テロリスムの時代以降を描く現代作家(ターハル・ジャウット、ラシッド・ミムニ、プアレム・サンサール、アヌアール・ベンマレク、ヤスミナ・ハドラら)、フランス移民作家(ラバフ・ベラムリら)、アラビア語表現作家(アフラーム・モステガーネミー、ワシニー・ラレジら)などを鳥瞰してアルジェリア現代文学の流れを押さえた。2.実地調査・研究交流:平成22年10月23日~11月25日の約一カ月間、主に首都アルジェに滞在して、現地での文学関係の資料状況の調査、社会状況の調査、文献資料の入手、研究者・ジャーナリストなどとの交流をおこなった。また11月8・9日にアルジェで開催された「第一回アルジェリア・日本学術セミナー」に運営者の一人として参加し、全体セミナーで発表をおこなうとともに、文学分科会のオーガナイズ役を果たした。3.研究成果の発表:上記全体セミナーでアルジェリア文学の概観について英語で発表し、論文化した。ほかに、イチジクを中心にカビリア地方の習俗を検討するとともにムールード・フェラウンの小説2作品をとりあげた論文を北アフリカ研究の枠組みで発表した。また主要な文学作品を解説し分析する文書を作成し、青柳悦子のHPで公開している。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Establishment of Integrative Research Base by Humanities and Sciences on Valorization of Useful Plants for Regional Development in North Africa
巻: I ページ: 5-8
Proceedings of the 1st Algero-Japan symposium (November 8,2010, at USTHB)
巻: 印刷中
Proceedings of 2010 ICLA Seoul Congress
東アジア日本学会論集(韓国)
高麗大学校・筑波大学共同研究集会予稿集
ページ: 17-24
Proceedings of TJASSST10 (Tunisia-Japan Symposium on Society, Science & Technology, 12 November 2009)
ページ: 147-149
http://www.geocities.jp/etsuko_ao/algerie.html