「本年度の研究実施計画」にしたがい、本研究で最も重要な一次資料、関係資料の発掘を中心に研究作業を進めた。 1)その結果、「駐日満州国大使館『昭和十二年三月満州国留日学生録』、雑誌『留東週報』などの諸資料を入手し、埼玉大学に集中して、現在整理、分析を進めている。 2)本研究課題に強い関心を抱いている中国側の研究者、北京大学中文系の高遠東氏、中国社会科学院趙京華氏などから本研究課題についてレヴューを受け、今後の研究協力の対し、承諾を得た。 3)北京、天津で開かれたシンポジュームに出席して、本研究に関連した報告を行い、「北方左連」を研究している中国側研究者と交流、討論をし、本研究課題に関する研究者間のネットワーク形成に力を得ることができた。 4)「研究発表」としては、日中戦争全面化を前に繰り広げられ弾圧によって「挫折」を余儀なくされた日中プロレタリア・エスペラント運動の交流、同じく停刊を余儀なくされた明治大学留日学生校友会の校友会誌『学術界』に関する論文を発表した。 5)本研究課題と関連する学術図書『一九三〇年代中国人日本留学生文学・芸術活動史』を汲古書院から出版した。
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