グレゴリオス・バルヘブラエウス著『英知の精華』霊魂論編および動物学編の校訂作業を進めた。テクストの校訂・注解作成の課程においては、バルヘブラエウスが『英知の精華』霊魂論編および動物学編の執筆に際しても、イブン・シーナー『治癒の書』の他に、イブン・シーナー以前の時代に成立したシリア語文献や、イブン=シーナー以降の時代のアラビア語文献を利用したことが確認された。また、本研究の研究計画で掲げたギリシア哲学・自然科学のシリア語における伝承についての研究およびわが国におけるシリア学の発展への寄与という目的に合わせたより広い範囲でのシリア学研究にも従事した。
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