研究概要 |
(1)本研究初年度の昨年は,当初見込んでいたエフォート率よりも本研究に時間を割けたそのため,全体で3550行ほどある『十の長詩』のうち、1200行ほど読み,下訳を作ることができた。 (2)当初,精読するか,取りあえず個々の作品の全体像を捕らえることを主眼に卒読するかを模索しつつ読み始めたが,卒読では,結局,古代社会の衣食住などの部分はよく分からないことが分かり,分からない部分(たとえば農耕具の実際など)は徹底して調べた(ただし,読了部分のすべてが明らかになったわけではない)。 (3)当初予定していた,夏に2週間程度インド・ポンディシェリを訪れ,フランス極東学院のパンディットのもとでテキストを他の極東学院の研究者とともに読み,また,その際に同学院で所蔵する『十の長詩』のデジタル化した写本資料を入手するという目標は,個人的な事情でかなわなかった。 (4)昨年の研究から,文献研究でもモノを見ることが非常に重要であることが分かった。昨年は事情により,博物館などを訪れて実際にモノを見ることはできなかったが,かなりの程度,図録・写真などでみることはできた。
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