研究課題/領域番号 |
22520358
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅見 洋二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70184158)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 宋 / 文集 / 別集 / 注釈 / 蘇軾 / 黄庭堅 / 楊万里 / 陸游 |
研究概要 |
本年度は、前年度に引きつづき全体の基礎となる研究を進めつつ、いくつかの発展的な研究を進めた。 まずは最も基礎的な作業として、宋代に編纂された蘇軾・黄庭堅集をはじめとする各種別集の編纂状況を検討し整理した。本年度は特に、南宋の楊万里・陸游の集について重点を置いて進めた。 楊万里・陸游集については、作者生存中から、作者自身の手による詩集の編纂が行われており、またかかる詩集編纂について作者自身が語ってくれる資料も少なからずのこされている。そうした資料を中心に検討することにより、「小集」と呼ばれる詩集の編纂方式の具体的なあり方を明らかにするとともに、かかる編纂方式のなかで詩人たちがどのように自らの作詩を捉え返していったかについて検討を加えた。 また、蘇軾・黄庭堅集に関しては、前年度に引きつづき、その注釈における真蹟・石刻テクストの活用状況とそこに反映される文学観について、欧陽脩集をも視野に入れながら検討を進めた。 以上の研究を踏まえて、『中国文学テクストの諸相(仮題)』と題する専著を公刊すべく、執筆に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
蘇軾・黄庭堅集に関する研究はおおむね順調に進んでいるが、他の課題、例えば陸游・楊万里集に関しては、着手間もないこともあって十分な進展が見られないため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って、研究を着実に進めることに努める。現時点で計画を大きく改める必要は無いと判断している。 陸游・楊万里集、とりわけ楊万里集に関しては、研究の進展に大きな手応えを感じており、今後は特にこの方面の研究に重点を置きたい。
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