昨年度、筆者は、研究テーマの主題に掲げたベルギー王立図書館に所蔵される日本古典籍の入力を行い、来年度考えている目録出版のためのデータ作成を行った。 それと同時に、10月山東大学に於いて開かれた110周年校慶学術活動跨文化語境中的伝統文化というシンポジウムに参加し、第一次世界大戦後の、青島、日本、ルヴァンに於ける書籍の鹵獲及び贈与に関する発表を行った。 また、山東大学に行った際に、山東省立図書館に赴き、まだ整理が終わっていない日本図書(図書館では満鉄関係資料と呼ばれている)を紹介された。 これを調査することによって、第一次世界大戦以降第二次世界大戦終結までに済南及び青島にあった日本の政府及び私的機関の所在と名称を明らかにすることができる。 現在、その調査の申請を行っているところである。 さらに、10月に行われた山東大学のシンポジウムでは、同時に義和団乱学術会議が開催されていたが、その際、文史哲編集所長の王学典博士からリヒャルト・ヴィルムヘルムの研究者の紹介を頂いた。本年度四川で行われるシンポジウムへの参加を依頼されたが、日本人ではヴィルムヘルムの研究者は現在非常に少なく、ドイツ中国間に日本を加えることにより、当時の日中独関係を明らかにすることを依頼された。 最後に、第一次世界大戦前後に於けるベルギーとドイツ、また中国と日本との国際関係に於いては、当時の輸出入の量や質をより具体的に調査する必要がある。丸善に残る当時の輸入書の伝票を調査することが可能かどうかを今打診しているところである。(641字)
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