研究課題/領域番号 |
22520378
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研究機関 | 京都学園大学 |
研究代表者 |
手塚 恵子 京都学園大学, 人間文化学部, 准教授 (60263183)
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キーワード | 文化人類学 / 中国文学 / 口承文芸 / 少数民族 |
研究概要 |
本研究は文献研究とフィールドワークを併用して、中国の文化的多様性と画一性、なかでも漢族と少数民族の間に見られる多様性と画一性を検討するという、研究の全体構想の一部分である。 そのなかにあって、本研究における具体的な目的は、中国の民衆に広く愛好されている語り物文芸の演目のひとつである「梁山伯と祝英台」の諸テキスト(漢族による漢語のもの、少数民族による漢語のもの、少数民族による少数民族語のもの)を比較検討し、諸テキスト間の関連性を解明することである。 本年度は、昨年同様に文献調査において「梁山伯と祝英台」のテキストを収集するとともに、民間で口頭で伝承されている「梁山伯と祝英台」を伝承者にうたってもらい、それを映像記録化した。 文献調査は、中華人民共和国広西壮族自治区の広西民間文学研究会、広西壮族自治区図書館、柳州市図書館、香港特別行政区図書館などで実施し、広西地区において民間で伝承されてきた「梁山伯祝英台」のテキストを7種類収集した。 また広西壮族自治区武鳴県および柳州市において、当該地の歌物語の伝承者に、「梁山伯と祝英台」をうたってもらい、それを映像記録化するとともに、関連知識について聞き書きをおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献収集に関しては、図書館所蔵の文献だけではなく、民間写本も入手するなど順調である。フィールドワークについても、今年度の目標である歌物語を映像記録することについては達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、映像化したものをテキスト化するという大きな仕事が残っている。これについては、現地の歌い手たちの協力のもとに、音声データを書き起こしする予定である。またこれまで収集したテキストを電子データ化し、データベース化するという作業を完成させたい。電子データ化については、少数民族言語の文字表記が特殊なため、それを電子データの上でどのように取り扱うのが適切かを考える必要がある。チュナム文字(ベトナム)の例などを参考にしながら、テキストのデータベース化において最も適切な方法で実施したい。
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