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2011 年度 実績報告書

ロマンス語における冠詞の対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520381
研究機関北海道大学

研究代表者

藤田 健  北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50292074)

キーワードフランス語 / スペイン語 / イタリア語 / 定冠詞 / 部分冠詞
研究概要

本研究は、フランス語・スペイン語・イタリア語という三つのロマンス諸語の冠詞の分布を対照的に考察することを目的としており、当初の予定では今年度は前年度からの継続作業として、部分冠詞の分布に関するデータを収集し分析を進める計画であった。特に、部分冠詞というカテゴリーが文法的に確立されていると言えるフランス語とイタリア語における部分冠詞の分布上の相違を明らかにすべく、フランス語原典とイタリア語訳、イタリア語原典とフランス語訳、他言語原典のフランス語訳とイタリア語訳を資料体として用い、その分布を詳細に検討した。
その中で明らかになったのは、他の冠詞との関係、とりわけ無冠詞名詞句との関係が極めて重要であるという点である。細部の検討に若干の時間を要するため、その成果を公表するには至っていないが、24年度中には論文として発表する予定である。
これと並んで、当初の計画とは多少ずれるものであるが、定冠詞の三言語における用法、特にロマンス諸語に特徴的な代名詞的用法に焦点をあて、分布を観察した上で分析を進めた。この研究テーマは、他の冠詞に関する分析を進めていく中で、新たな問題として浮かび上がってきたものであり、冠詞と他のカテゴリーに属する要素の関係を明らかにする上でも極めて重要なテーマであると言える。ロマンス諸語に属する言語でも冠詞の用法が異なるという事実を実証的に示すという本研究の目的に合致するものでもあり、その成果は論文という形で公表した。具体的には、スペイン語の定冠詞が代名詞的性格がかなり強いのに対して、フランス語・イタリア語のそれは極めて弱いという事実が明らかになり、形態的な側面と意味的な側面が複合的に関係してその性質が決定されるということが示された。
このように、今年度は定冠詞と部分冠詞という二つの形式を異なる視点・手法によって分析し、三言語における相違点を明らかにすることができた。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の対象である冠詞の中で、定冠詞と部分冠詞という二つのカテゴリーについて詳細に分布を観察し、分析を進めることができた。計画全体の中で、本年度に予定していた研究成果をかなりの部分について達成できていると考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度にあたる平成24年度には、本研究において大きな位置を占めるテーマである不定冠詞の分析として、残されているフランス語とイタリア語、並びにスペイン語とイタリア語の対照研究をそれぞれ進める予定である。前者の成果についてはデータ収集がかなり進んでいるので、本年度中に成果発表まで確実に達成できるものと考えている。後者についてもかなりの部分まで進めることが可能であると考えられるが、データ収集を含めて分析にかなりの時間を要することが予想されるため、本年度中に最終的な成果発表に至るよう最大限努力する所存である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ロマンス諸語における定冠詞の代名詞的性質2012

    • 著者名/発表者名
      藤田健
    • 雑誌名

      北海道言語文化研究

      巻: 第10号 ページ: 7-22

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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