研究課題/領域番号 |
22520384
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀江 薫 東北大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70181526)
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研究分担者 |
パルデシ プラシャント 人間文化研究機構国立国語研究所, 言語対照研究系, 教授 (00374984)
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キーワード | 名詞修飾節 / 語用論的富化 / 主節現象 / 定形性 / 東アジア言語 / 南アジア諸語 / マラーティー語 |
研究概要 |
平成22年度は、東アジア言語および南アジア言語における名詞修飾構文と主節現象に見られる機能的拡張について認知類型論の観点から研究を行った。具体的には、堀江は東アジア言語、特に日韓語における名詞修飾構文および従属節全般に見られる「主節現象」の表象を最近の定形性(finiteness)に関する機能類型論的研究を踏まえて分析し、国内外の学会で基調講演を含む学会発表を行い、査読誌に発表した(裏面参照)。同研究の結果、日本語の名詞修飾節および従属節全般が主節(独立文)と連続的であり、他言語に比べてもその連続性が際立っていることが明らかになった。 また、パルデシは、ミシガン大学のPeterHook教授との共同研究を通してインド諸語(マラーティー語、ヒンディー語など)における名詞修飾構文について一次的および二次的な資料からデータを収集し、日本語と対照しつつ分析を行った。この研究の主な目的はインド諸語における名詞修飾表現はどの程度日本語の名詞修飾構文と類似しているかということである。換言すると、南アジア諸語に名詞修飾構文はどの程度日本語と同様統語的な制約よりも語用論的な制約によって形成されるかということである。本研究の成果の一部をスタンフォード大学で行われた名詞修飾構文に関する類型論的な研究の国際ワークショップで発表した。 これらの共同研究の結果、東アジア言語、特に日本語の名詞修飾構文において語用論的富化が大きな役割を果たしていることが検証された。
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