研究課題
本研究は、構文理論および用法基盤モデルに基づき、言語知識における「語彙」知識と「構文」知識とを乖離した知識と見なさず両者の統合現象に着目し、言語使用・言語獲得・学習のコーパスデータを用いた分析を通して、「語彙と構文」両者の統合的知識を理論的かつ実証的に探究する。そのために、「語彙と構文」の統合的知識を分析し解明するための理論的考察を深めつつ、コーパスデータを用いて、日本語における「語彙と構文」両者の統合的知識を分析・記述する代表的事例研究を行うことが主な目的の一つである。また、子供の第一言語獲得、及び、第二言語習得においても、「語彙と構文」統合的知識の習得・学習に関する事例研究を行う。初年度である2010年度は、「語彙と構文」の統合的知識を分析するための理論的考察と合わせ、子供の第一言語獲得論において「語彙と構文」の発達・習得を分析するための理論的枠組みと研究概要を藤井(2010)において解説した。事例研究として、(1)大規模均衡コーパスBCCWJを用いて所謂引用助詞「と」が標識する「語彙と構文彙」の分析を行った。この成果を、藤井(2010)で刊行・公表するともに、Fujii(2009a:国際構文理論学会ICCG6)やFujii (2009b:CLCD)等において発表した。(2)英語のBNCコーパスを用いて'in that'構文を分析しLee-Goldman & Fujii (2009a:国際構文理論学会ICCG6)やLee-Goldman & Fujii (2009b : CSDL-ESLP)で発表した。(3)BCCWJを用いて支援動詞構文(および参与語彙)の分析を進めた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
特定領域研究「日本語コーパス」平成22年度公開ワークショップ研究成果報告会予稿集
巻: JC-G-10-02 ページ: 521-528
Contrastive Studies in Construction Grammar, Boas, Hans C.(ed.)
巻: CAL Vol.10 ページ: 169-200