研究課題/領域番号 |
22520407
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
中井 延美 明海大学, ホスピタリティ・ツーリズム学部, 准教授 (30406384)
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研究分担者 |
西山 佑司 明海大学, 外国語学部, 教授 (90051747)
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キーワード | DEFINITENESS / 定・不定表現 / 具現形式 / 日本語名詞句 / 指示性 / 限定名詞句 / 限定項辞句 / 素名詞句 |
研究概要 |
本研究の目的は、DEFINITENESSという概念を名詞句の形式特性として言語普遍的に捉える(Chomsky 1965)ことを起点に、日本語に相応しい定表現・不定表現の形式区モデルを構築することである。[±definite]という形式特性が、英語では「定名詞句・不定名詞句」として具現化される一方で、日本語でも「限定名詞句・素名詞句」として具現化されることの妥当性を検証する。[定]・[不定]および[限定]・[素]という形式特性をDEFINITENESSの相関概念として捉え、両言語におけるDEFINITENESSの具現形式(構造)を、名詞句のREFERENTIALITY(指示性・非指示性)に着目して意味論的・語用論的に分析し、体系的にまとめることを目指している。平成22年度においては、DEFINITENESS(定性)という概念と名詞句の指示性に関するこれまでの研究成果を見直し、統語形式上の二項分類としてのDEFINITENESS/ INDEFINITENESS(定表現と不定表現)と、それらと相互作用する意味機能としてのREFERENTIALITY(指示性・非指示性)との関係を分析するために必要な諸概念(理論的枠組み)を整理した。具体的には、日本語の名詞句が形式的に素名詞句と限定名詞句に分かれることを提唱し、日本語名詞句の形式的解釈において、素名詞句でないものは全て限定名詞句として包括して捉えることの妥当性を論じた。素名詞句とは「本」「学生」などの、いわゆる一般名詞それ自体から成る名詞句である。一方、限定名詞句(すなわち、素名詞句でない名詞句)には、形式的に大きく分けると、次の五種類の名詞句が含まれる。(I)「本件」「某所」といった《限定詞的な接頭辞が内在する一語の名詞句》、(II)「東京」「太郎」といった《固有名詞の名詞句》、(III)「私」「彼女」「それ」といった《代名詞の名詞句》、(IV)「国々」「学生たち」「子供ら」などの《複数表現の名詞句》、(V)「この本」「その手の本」「例の本」「他の本」「とある本」「3冊の本」といった《限定詞を伴う名詞句》である。本研究では、(I)~(IV)のタイプの限定名詞句を《限定項辞句》に分類した。
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