研究課題/領域番号 |
22520407
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
中井 延美 明海大学, ホスピタリティ・ツーリズム学部, 准教授 (30406384)
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研究分担者 |
西山 佑司 明海大学, 外国語学部, 教授 (90051747)
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キーワード | DEFINITENESS / 定・不定表現 / 具現形式 / 日本語名詞句 / 指示性 / 限定名詞句 / 素名詞句 / 非飽和名詞 |
研究概要 |
本研究の目的は、DEFINITENESSという概念を名詞句の形式特性として言語普遍的に捉えることを起点に、日本語に相応しい定表現・不定表現の形式区分モデルを構築することである。[±definite]という形式特性が、英語では「定名詞句・不定名詞句」として具現化される一方で、日本語でも「限定名詞句・素名詞句」として具現化されることの妥当性を、広範なデータを用いて検証する。[定]・[不定]および[限定]・[素]という形式特性をDEFINITENESSの相関概念として捉え、両言語におけるDEFINITENESSの具現形式(構造)を、名詞句のREFERENTIALITY(指示性・非指示性)に着目して意味論的・語用論的に分析し、体系的にまとめることを目指している。平成23年度においては、前年度までの作業を継続し、分析に必要な諸概念(理論的枠組み)の明確化を目指した。日本語の限定名詞句・素名詞句に関する形式特性に意味論的要素がどのように関与するかという問題についての考察・議論を進めた。限定名詞句と素名詞句をコピュラ文のなかで見た場合、叙述名詞句・変項名詞句・指示的名詞句とは、どのような関連性が見られるかを検討し、同時に語用論的考察も展開した。具体的には、考察対象となる名詞句が、指示性あるいは非指示性、または、その両方の意味機能を具現し得る場合について、意味論的考察に加えて、語用論的観点から素表現・限定表現の具体的使用の問題を検討した。その結果をもとに、(非)指示的解釈が可能なさまざまなタイプの名詞句が具体的に使用されるコンテクストを整理しようとしたが、まだ作業継続中である。さらに、日本語では、どのような統語形式や統語構造を用いることによって、(非)指示的解釈が可能になるかを考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本語の限定名詞句・素名詞句に関する分析に必要な諸概念を明確にする上で、一部検討課題が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
上述の検討課題も含め、研究分担者と引き続き討議を重ねる。 平成24年度の研究実施計画に則り、これまでの研究の総括を行い、研究成果を論文として発表する。
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