研究課題/領域番号 |
22520407
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
中井 延美 明海大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30406384)
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研究分担者 |
西山 佑司 明海大学, 外国語学部, 教授 (90051747)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 素名詞句 / 非素名詞句 / XNP / 定表現 / definiteness / 日本語名詞句 / 形式特性 / 名詞句構造 |
研究概要 |
名詞句という概念による言語表現全体をXNPとした場合、形式上このXNP は英語では定名詞句または不定名詞句によって網羅される。本研究では、言語理論の普遍性を踏まえ、XNP が言語普遍的に表現され得ることを前提にした上で、日本語に相応しい定表現・不定表現の形式区分モデルを提示することを目指した。従来の日本語研究の中で「定名詞句」「定表現」などの言い方が用いられる場合には、英語など冠詞を有する言語における名詞句の「定/不定」の区別に依拠して使用されていることが多い。そのようなdefinitenessの区別は名詞句の形式特性である傍ら、意味論と語用論のレベルにも深く関わるカテゴリーである。冠詞を持たない日本語では、定/不定の形式特性[±definite]によって名詞句を区別しないのが一般的である。しかし、自然言語の名詞句構造において、「定」という概念は「定冠詞の有無」といった形式上(文法上)の問題以上に普遍性を持っている可能性がある。本研究では、英語などのdefinitenessとは異質でありながら、実は日本語にも独自の尺度で名詞句の形式特性を「定的」または「不定的」に二分する仕組みがあると仮定し、その一つの可能性として、普通名詞それ自体から成る素名詞を無標形式として捉え、非素名詞(表現)を有標形式として捉えた。不定的な具現形式としての「素名詞句」、定的な具現形式としての「非素名詞句」という形で存在する可能性を示し、名詞句の形式特性と意味解釈の関係性を検討した。その結果、名詞句の形式特性の分け方において名詞句レベルでの意味解釈が部分的に関与するという点では、英語の定/不定と日本語の素/非素は共通することが確認できた。同時に、名詞句に伴われる意味には「名詞句の形そのものが誘発する意味解釈」が関与しており、それは概念的意味や文中での意味機能とは性質を異にするものであることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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