研究課題
研究分担者三宅は、8月~10月にロンドンに永住する日本人コミュニティーを対象とする予備調査、ならびにそのデータ化を行った。被験者にはフリートークの形で、自らの言語とアイデンティティー、イギリス人との関係などに関して話してもらい、録音した談話を文字化して分析できる状態とした。また、ロールプレイに着目しつつ言語学習における「笑い」に着目した研究を行った。研究連携者南は、6月~7月期にスイスにおいて、研究代表者との共同発表を「国際ポライトネス学会」において行った。発表では、ドイツ語圏の研究の要点を要領よくまとめた他、ゴフマンのフレイミングやフッティングなどの概念装置をロボット開発に関する談話の分析にどう生かせるかを検討した。研究代表者は、8月期、ワルシャワにおける国際ゲルマニスト会議のあとドイツのミュンスターに滞在し、図書館で資料を収集するかたわら、ギュントナー教授らとの専門討議を経て、コード・スイッチングやデジタル・ニューメディアを視野におさめたポライトネス研究の可能性を探った。また全メンバーは、12月に三牧氏から日本語談話データを分析対象とする「ポライトネスのバランス探求」についての専門的知識の提供を受け、研究の最前線の一端に触れた。さらに、3月には、代表者がドイツのマンハイムにおいて文献調査を行うかたわら、デッパーマン教授をはじめとする研究者との専門討議によって、英語圏と比べた場合のドイツ語圏の研究の強みは、「視点の置き方(Perspektivierung)」という概念に見られるのではないかという仮説を立て、「談話の言語学」に力点を置く次年度以降の研究の方向性を一層明確にすることができた。
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東洋大学文学論藻
巻: 第85号 ページ: 1-19
成城大學大學院文學研究科『コミュニケーション紀要』
巻: 第22輯 ページ: 1-22
Sprachliche Hoflichkeit zwischen Etikette und kommunikativer Kompetenz, Frankfurt/M.etc.: Peter Lang(In : Ehrhardt, Claus/Yamashita, Hitoshi/Neuland, Eva(eds.)
巻: (印刷中)