研究課題/領域番号 |
22520408
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
渡辺 学 学習院大学, 文学部, 教授 (00175126)
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研究分担者 |
三宅 和子 東洋大学, 文学部, 教授 (60259083)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 談話の言語学 / スタイル / 位置取り / 視点 / 会話分析 / 異文化コミュニケーション / ポライトネス・ストラテジー |
研究概要 |
「談話の言語学」に視座を置く、という前年度末の課題を受けつつ、研究代表者の渡辺を中心として、ポライトネス研究の最先端を引き続き資料収集・文献調査により追究した。ポライトネス概念の言語圏・研究者ごとの差異(落差)を明らかにし、術語の混乱の整理を試みることを当座の目標とした。渡辺は、2012年9月にドイツ、マンハイムのドイツ語研究所に滞在し、同研究所のアイヒンガー氏、ケンパー氏、デッパーマン氏など、第一線の言語学者との専門討議を経て、「スタイル」の諸問題とつながるポライトネス研究に課された喫緊の課題を再確認した。具体的には、「位置取り(ポジショニング)」における文化的特性の把握可能性とその限界に気づき、「視点」の概念に着目することの、異文化コミュニケーション研究における重要性、「ポライトネス」と「位置取り」を関連づけながら峻別する必要性などの認識を深化させた。研究分担者三宅は、ディアスポラ研究のうち、ポライトネスの視点が含まれる項目に関する面接調査の文字化作業を本研究計画の枠内で遂行した。連携研究者南は、2012年7月と8月に学生団体の活動を観察調査し、ビデオ撮影を行い、リーダーとしての言動と、先輩と後輩間でのやりとりとに「ポライトネス」がどのように表れるかを検討するためのデータを収集した。2013年3月には、全体の総括を兼ねて、早野氏に「ポライトネスへの会話分析的アプローチ」と題する、語用論、会話分析とブラウン/レヴィンソンのポライトネス理論を踏まえた専門的知識の提供を受けた。日本語学と英語学の成果を踏まえた報告は示唆に富んだもので、ナラティヴ研究、社会学、社会心理学、異文化コミュニケーションをクロスさせた視点から「知識のテリトリー」などに焦点を当てた意見交換と討論を行い、ポライトネスをめぐる対照比較研究の意義と解決すべき課題のいくつかを再確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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