研究課題
平成23年度の計画は、平成22年度に収集したデータの分析を開始して、国内外での学会発表と研究論文の出版を通じて成果公表に努めることにあった。総じてこの目的は達成されたと判断される。まず、本研究組織のメンバーによる企画として、H23年度6月に日本認知科学会学会(関西大学)において「伝達・運用能力」に関わるシンポジウムを開催した。そして、そこでの発表をもとにしてElsevier社の言語系専門誌、Language & Communication誌上で「コミュニケーション能力」に関する特集号を組むことが承認された点は特筆に値する(現在、執筆者からの草稿を取りまとめている段階である)。また、昨年度から継続してきた国内での出版企画はほぼすべての原稿を取りまとめ、校閲のための準備を行った。本書はH24年の秋には刊行予定である。主な学会発表としては、H24年7月上旬にイギリス(マンチェスター)にて開催された国際語用論学会にて、本研究にも深くかかわるテーマの発表を行い、その後12月には日本語用論学会での招待講演(京都外国語大学)、H24年1月にはDiscourse & Grammar WS(慶應大学)において成果発表を行った。研究分担者とは年度内に数回の打ち合わせを行って計画の進捗と達成を確認し、当初予定した任務が終了に近づいたこと、さらに分担者の業務多忙のため、H24年度は分担者から外れる旨了承した(ただし、書籍刊行に向けて助言と協力を仰ぐこととした)。
2: おおむね順調に進展している
計画遂行のための時間的順序に若干の前後はあるものの、研究会企画、データ収集・分析、学会での研究発表、成果公表といったすべての面において、当初予定した事業の達成がほぼ確実な状況である。
今後、特に本年度においては、何と言っても編集した書籍の刊行(H24年秋予定)と、Elsevier社に承認された専門誌上の特集号編纂および刊行(2013年秋予定)が最も大きな課題と言えよう。現状では前者はほぼ順調に進んでいるが、後者はやや予定から遅れ気味であり、今後のさらなる注力が求められると考える。ただし、そのためには、平成25年度にも研究組織を維持する必要があり、さらなる補助金申請を検討する必要がある。
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愛知大学英文会誌
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