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2011 年度 実績報告書

ポリネシア諸語の数詞体系と数詞間の文法的特性の推移についての対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520417
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

塩谷 亨  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10281867)

キーワードポリネシア諸語 / 数詞
研究概要

前年度に引き続き、数詞の使用例データの拡充を図るため、国内出張として、東京外国語大学図書館で各種ポリネシア諸語の辞書など禁帯出の参考図書を含む関連資料を閲覧し、その中からポリネシア諸語の数詞に関する資料を収集した。また、外国出張として、タヒチに赴き、Maison de la culture図書館、タヒチ博物館にてタヒチ語の言語データ(数詞の使用例)を収集するとともに、日本では入手困難なタヒチ語及び周辺のポリネシア諸語の資料を入手した。これまでに収集した資料と今回拡充した資料を併せて、関連するデータ(数詞についての先行研究、及び、実際の数詞の使用例)を抽出し、整理し統合した。
選抜した三つのポリネシア諸語(タヒチ語、ハワイ語、サモア語)の数詞使用例文データの分析を進め、それぞれの言語での数詞の文法的特性について分析し、比較対照を行った。その結果として、数詞の語彙としては、サモア語が他の二言語に比べて、外来語数詞への依存がより少なく、独自の数詞を維持していることが確認されたほか、特に百を超える大きな数の表し方については、19世頃の古い文献から現代のテキストへと数詞の用法が推移していく過程において、三つの言語の間に共通の傾向が見られる一方で、いくつかの相違点もあることがわかった。
研究成果のうち、タヒチ語に関する部分の一部を北海道言語文化研究第10号に「古いタヒチ語テキストにおける百以上を表わす数表現」として掲載し、更にその続きを平成24年3月の北海道言語研究会例会で、「タヒチ語の百以上を表わす数表現の歴史的推移についての考察」として口頭発表した。サモア語とハワイ語についても同様の分析を一通り終えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

分析の中心となるハワイ語、サモア語、タヒチ語の三言語について、古い資料から現代の資料まで広い時代に渡る数詞使用例データを収集することができ、大きな数を表わす数詞を含む多様な数詞の文法的特徴について一通りの分析を終えた。しかしながら、分析の過程で、特に古い時代の数詞の用法の分析について、いくつかデータの補強を行なう必要性が生じたため、当初は平成23年度中に「サモア語・ハワイ語・タヒチ語の文法的特質(仮題)」として論文でまとめる計画であったが、タヒチ語の分析の部分のみ一部先行して論文として発表し、残りの二言語の分析については国内外での資料収集を行い、例文データの補強をした後に平成24年度に論文としてまとめることになった。

今後の研究の推進方策

平成23年度の研究を進める中で、19世紀頃の古い資料での数詞の用法が、現代の用法とかなり異なる特徴を持っていることが示された。それに関連する分析データを補強するために必要となった最後の資料収集を平成24年度にまず行い、それを基に、前年度に論文として発表し残した分の成果をまとめる。それ以外についても、計画通り進め、今年度に研究報告としてまとめる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 古いタヒチ語テキストにおける百以上を表わす数表現2012

    • 著者名/発表者名
      塩谷亨
    • 雑誌名

      北海道言語文化研究

      巻: 10 ページ: 1-6

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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