研究概要 |
(1)先行研究及びすでに申請者がこれまでの記述してきたミエン語系諸言語の文法に関するデータを文法項目ごとの記述の枠組みへ整理する作業を行った。新たなデータとして、チャウコンメン語(Cao Kong Meing)のデータを調査によって収集した。 (2)海外研究協力者の鄧方貴氏と共同研究を行った。鄧氏からビャウミン語のデータを提供していただいき、整理する作業を行った。 (3)個別の文法項目について、類型論的な枠組み特に、Haspelmath, et. al. (2005) The World Atlas of Language Structuresの項目について、従来の研究では、多くの項目が記載されないままであったが、それらの項目の多くを充填記載することができた。また、従来のイウミエン語のデータとは異なる特徴を見出すことができた。例としては、極性疑問の形成法、否定の形態素のステータスなどがある。 (4)ビャウミン語の場所表現、動作結果表現について考察を行った。ビャウミン語の場所表現においては、動詞+対象の位置表現の後に、所在動詞が現れて結果の状態を明示する形式がある。これはタイ語にもみられるが、ミャオ・ヤオ語の中では特異な構文であることがわかった。
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