研究課題/領域番号 |
22520424
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
黒沢 直俊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80195586)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 言語学 / 少数言語 / ロマンス語 / ダイグロシア / 言語政策 |
研究概要 |
(具体的内容) 1)本年度は8月前半にかけ2週間のアストゥリアス州での現地調査を実施し,言語資料の収集や社会言語学的状況などを考察しただけでなく,来年度から予定している自然会話コーパス構築に向けた打ち合わせを行った.2)引続き,前年度までに収集した資料や研究蓄積を整理し,中世ポルトガル語との関連で現段階でのアストゥリアス・レオン語に関する研究をさらに進めることが出来た.2)特に,前年度に行った前置詞についての日本ロマンス語学会での発表を同学会紀要に公刊した.3)今回もポルトガルへの出張は行なわなかったが,ポルトガルの研究者とは恒常的に密に連絡を取っており、研究協力を継続している.4)過去に研究代表者がポルトガルのミランダ・ド・ドーロ地域で直接現地で録音した音声資料についての分析を継続している. (意義と重要性) 過去4年間の研究でアストゥリアス語について,方言や社会言語学的なバラエティーなど言語状況についてより専門的な概観を得ることが出来た.日本ではこの分野の研究者はほとんどいないので,現地の言語研究者と密接な関係を保ちながら現地での直接調査を継続していることの意義は大きい。今後,研究代表者が行っているポルトガル語についての自然会話コーパスの構築とその分析などの研究に平行するように研究を拡大することでアストゥリアス語に関して新たなデータや知見を提供出来る可能性があることの意義は大きいと思慮される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去4年間の研究期間において,研究対象のアストゥリアス・レオン語の言語状況や研究状況に関して新たな情報や知見を相当程度得ることが出来、以前とは全くちがったレベルで具体的素材を分析出来る状況である。この間、以前には接触のなかった多くの研究者や言語関係者ともネットワークを構成することが出来ているので,最終年度で調査結果の総括的分析を行い,当初の目的であるミランダ語とアストゥリアス語の言語変異について十分な成果が得られるものと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,これまで蓄積したデータや新たに把握している先行研究の分析を継続し,過去4年間の成果を総括する.
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