研究課題/領域番号 |
22520425
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
風間 伸次郎 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50243374)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | ツングース諸語 / 記述研究 / 現地調査 / 危機言語 / 言語類型論 / テキスト |
研究概要 |
11月には話者・共同研究者を招聘し、ナーナイ語のデータの整理を進めることができた。3月には春休みの期間を利用して、中国・満州で満州語の調査を行った。対象となった言語は満州語であり、全く新しい資料の採集を行うことができた。基礎語彙に関しては数人から調査を行った。写真やビデオなどの映像データも多く収集した。 エウェン語とナーナイ語のテキストを刊行することができた。エウェン語のものは、『エウェンの民話』で40以上ものテキストを含んでいる。民話の内容も民俗学的に極めて重要なものである。ナーナイ語のものは、『ナーナイ語の諸方言の研究2』である。ジュユン村、アチャン村など、これまであまり研究結果の発表されていない村の方言のテキストであり、きわめて貴重である。どちらの書にも附属に音声CDをつけてあり、元の録音音声を聞くことができる。郵送により発送し、語り手と現地教育機関等に配布する予定である。国内の研究所機関ならびに記述言語学に携わる諸研究者にも発送の予定である。 ツングース諸語の研究はこれまで多くがロシアで行なわれてきたが、最近ではロシアでの困難な経済情勢からその研究自体も危機的状況に立たされている。ツングース諸語の母語話者がますます減りつづけ、言語の滅亡の危機がせまっている今、できるだけ早く詳細かつ正確な言語学的記録を行うことが急務である。資料の収集は緊急を要しており、収集と整理・刊行にあたる必要性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実に論文ならびにテキスト集(科研報告書)として研究成果を刊行しており、学会発表や研究会での発表も行っている。80%の達成度として状況を判断することができよう。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はまだ未整理のソロン語ならびに満州語のデータを整理し刊行することがまず第一に必要である。その後は辞書の作成にかかる。
|