1.海外実地調査による資料収集:夏休みおよび春休み期間を利用して、ロシア・アムール地域ならびに中国内蒙古自治区での実地調査を行った。対象となった言語はナーナイ語、満州語、ソロン語であり、これまでの採集資料の分析確認とあらたな資料の採集を行った。具体的には、まず2013年8月4~20日、中国内蒙古自治区鄂温克族自治旗にて、ソロン語を調査した。次に8月24日~9月7日、ロシア沿海州クラースヌイ・ヤール村にてウデヘ語、ハバロフスク州のウリカ・ナツィオナーリノエ村にてナーナイ語クル・ウルミ方言を調査した。11月20~27日には、ナーナイ語のコンサルタントであるL. T. キレ氏を招聘し、ナーナイ語の資料整理および翻訳を行った。2010年3月12~22日には、中国内蒙古自治区ハイラルおよび南屯にてソロン語を調査した。 2.研究会発表:6月17日、茨城大学における日本言語学会第146回大会の公開シンポジウムにて、「類型なのか、言語地域なのか? ―日本語は北東アジアの言語なのか?―」という題で発表した。2月23日、国立国語研究所におけるNINJAL Typology Festaにて “Nominal Predicates in Tungusic languages. Diachronic analysis on nominal predicates -- focusing on -ča iin tungusic languages --” という題で発表した。 3.研究成果:今年度は文法的な問題に関しての論文を発表した。
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