研究概要 |
本研究の目的は、バントゥ諸語の文法記述において特に重要な動詞の派生形について、日本の若手バントゥ諸語研究者と広く連携して、データを収集し、分析・記述していくことである。バントゥ諸語の中でも、特に動詞派生形の発達している東部と南部のバントゥ諸語を対象にして、現地調査を行い、研究会を開催して議論の場を設け、バントゥ諸語研究者の連携を強化しつつ、バントゥ諸語の動詞構造についての総合的、包括的記述研究をめざす。 本年度の研究実施計画は、以下の3点であり、それぞれの実施状況を合わせて報告する。 (1) 先行研究の整理と文献からのデータ収集: 文献資料を購入し、バントゥ諸語の動詞派生形についての先行研究を整理し、文献からのデータ収集をおこなった。 (2) 東・南部アフリカにおける現地調査: 研究分担者(米田信子氏)と研究協力者(八尾紗奈子氏)の2人をタンザニアへ派遣し、それぞれマテンゴ語とチャガ語ヴンジョ方言についての現地調査をおこなってもらった。 (3) 研究会の開催 今年度は2010年10月16日に大阪大学中之島センター(会議室2)にて研究会を開催した。報告は梶茂樹氏(京都大学大学院教授)による"On the intransitive usage of transitive verbs in Tooro, a Bantu language of Western Uganda"である。発表内容およびバントゥ諸語の動詞について、参加者が広く議論した。また、本年度は、研究分担者および研究協力者(安部麻矢氏)が海外の学会にて報告をおこなった。
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