研究課題/領域番号 |
22520439
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
福嶋 秩子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (80189935)
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キーワード | 言語地理学 / 言語地図 / 日本語方言 / 計量方言学 / データの公開 |
研究概要 |
研究代表者は1983年にパソコンを利用した言語地理学データ処理システムSEALを開発、マニュアルを出版、プログラムを公開するとともに、実際の調査資料への適用結果を論文発表して、「パソコンによる言語地理学」を提唱した。言語地理学におけるコンピュータ利用のメリットの一つである多数の言語地図を総合しての分析のうち、統計学を駆使した分析は、欧米の方言学で計量方言学(dialectometry)として近年盛んになっている。SEALは開発の初期段階から言語地図を総合し地図上に表示する機能を持ち、改訂にあたってその機能を維持発展させてきた。ICTの発展に応じたSEAL整備の継続とともに、複数の言語地図の比較・総合による言語データの分析の応用と発展、その公開方法の検討を目的として、研究を推進する。 平成23年度は、徳之島方言、新潟方言などの日本方言資料の分析を行い、GISを利用した分析やWEBを利用した公開をするための準備を継続した。 ・徳之島方言、新潟方言について、SEALによる言語地図作成、MandaraやArcViewを使った言語地図作成の試行を行い、電子化して公開用の地図を累積した。徳之島方言における30年を隔てた異なる言語地理学調査データについて比較分析した結果について、国際会議で発表した。 ・徳之島や新潟において新たな言語地理学調査を始めた。徳之島では、30年前の東大による全島調査や天城町浅間での詳細調査と比較できるデータを得るため、伊仙町と徳之島町の2地点で調査を行った。主語が1人称のときと2・3人称のときとで、否定文の形式に違いがあることがわかった。また、壮年層で方言の単純化・平準化ともとれる変化が起きていることが予想されたため、一部の文法・音韻項目に絞った全島調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子化された言語地図ファイルを蓄積し、その一部を使った発表を行った。調査を実施したところ、これまで報告のない言語事象についての知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
新たな調査データの電子化・地図化に取り組んで、過去のデータとの比較・総合を推進し、年度内に結果の公開にこぎつけたい。
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