研究概要 |
フランス語において構文の中心をなす動詞に注目し,現代フランス語基本動詞,特に「変化」を表す他動詞の統辞構造と意味構造の関係を,文法化の観点から大規模コーパスの検証に基づいて詳細に分析・記述し、実証的言語研究を行うことが研究全体の目指すところである。 平成 22 年度は第一に大規模コーパス(フランス語国立国語研究所 INALF の文学作品を収録した用例データ・バンクFrantext,フランス語で刊行された新聞・雑誌等を収録したデータ・ベースLexis Nexis,パリ東マルヌ・ラ・ヴァレ大学言語学科の言語情報工学研究所 IGM が開発した言語自動分析システム Unitex) を使って本研究の対象とするフランス語の 「変化」 を表す基本的他動詞の資料母体を作成した。 第二に文法化に関する最新の研究を入手して参照し,本研究の枠組みの改良の可能性を検討した。同時にこれまでにフランス語,および,日本語を含む他の言語の 「変化」 を表す動詞,また事行の分類についてこれまでになされた研究を参照し、本研究の枠組みの改良の可能性を検討した。 第三に 「変化」 を表す基本的他動詞に関し、作成した資料母体と新たな分析の枠組みを用いて意味・統辞特性の分析・記述を行った。
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