研究概要 |
フランス語において構文の中心をなす動詞に注目し,現代フランス語基本動詞,特に「変化」を表す他動詞の統辞構造と意味構造の関係を,文法化の観点から大規模コーパスの検証に基づいて詳細に分析・記述し、実証的言語研究を行うことが研究全体の目指すところである。 1.平成23年度は平成22年度に大規模コーパスを使って作成した現代フランス語の「変化」を表す基本的他動詞の資料母体を用いて分析を進めた。 これは次のような方法で行った。 - 資料中の「対象の変化」を表す基本的他動詞の構文について各使用例の構文特性を記述し、構文特性に基づいてカードを分類した。 - パリ東-マルヌ・ラーヴァレ大学言語学科の言語情報工学研究所Institut Gaspard Monge(IGM)で,「変化」を表す上記他動詞の統辞構造に関する電子化された資料を抽出し,この研究所が開発した言語自動分析システムUnitexを利用して各動詞構文のコーパスを構築した。 2.資料母体と分析の枠組みを用いて,現代フランス語の「対象の変化」を表す直接・間接他動詞それぞれについて、構文間の対立を意味・統辞特性の観点から詳細に検証した。研究成果を論文"A propos des complements direct et indirect dans les constructions N0 V N1 et N0 V de N1:le cas du verbe changer"にまとめ、青山学院大学文学部『紀要』第53号に発表した。 3.フランス語の「変化」を表す基本的他動詞構文研究の成果を2012年1月29日(至青山学院大学)フランス語統辞・意味研究会(招待講演者ルーヴァン・カトリック大学言語学科B.Lamiroy教授)で"Les complements direct et indirect en de:le cas du verbe changer"と題し、発表した。
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