研究課題/領域番号 |
22520445
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
砂岡 和子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70257286)
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キーワード | 社会言語学 / 言語応用能力 / 言語習得 / 複言語コミュニケーション / 話し言葉データベース / 口語コーパス / 談話調整 / 協調学習 |
研究概要 |
前年に続き平成23年は、複言語コミュニケーションのデータベース資源の量的拡充を行うとともに、多言語、複言語使用の交流環境とそのコミュニケーション活動に及ぼすメリットとデメリットの類型化に関し検討した。 ・複言語コミュニケーションのデータベース拡充 本年度のデータ収集は、(1)日本の大学授業、(2)ヨーロッパの大学授業を対象に行なった。(1)はアジア数大学間の日本語、中国語による学生テレビ討論計14回(約15時間分)、中国語による文化講義時の受講学生間の多言語チャットログ(約10時間分)、中国語授業での自由会話録音(約12時間分)データを蓄積した。うち7本はテキスト書き起しと、一部内容分析を完了した。(2)はオランダの大学での英語、オランダ語、中国語による授業録音資料を、教師、受講者間に起こるインターアクションとの相関性の観点から、日本の大学の英語、中国語使用授業と比較分析を行なった。 ・公開用プラットホーム 多機能Video Corpus Learning Platformを構築し、23年1月以降データを公開した(https://www.asiancorpus.org/default.aspx?g=postmessage&f=1)。プログラムのバグ修正やレンタルサーバ経費捻出のため、24年は新規Platformに移行準備予定。 ・多言語、複言語使用の環境、類型分析 主に文献研究による専門知識の吸収、関連学会出席による研究動向の分析を通じ、多言語、複言語使用発生の環境およびコミュニケーション活動に与えるメリットとデメリットを分析するため、大学の地域文化講義、異文化ゼミで教育応用実験を行ない、論文執筆と学会発表を行なった。交流タイプの定量的分類基準の策定は、今後の多言語、複言語コミュニケーションの普及と研修法の開発に科学的根拠となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成22年3月関東地域大震災の影響により東京で開催予定のシンポジウムが中止もしくは延期となり、加えて科学研究助成費支給が遅れ、情報収集と作業委託の時期が予定より後半にずれ込んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
勤務校を含め日本およびアジアにおける教育研究機関の多言語・複言語化が進展する現状に鑑み、他言語・広域研究分野との連携を強化する。具体的には以下2種の科研の連携研究者として本研究成果の共有を視野に入れ、本研究収集データの分析方法とその提示公開範囲について考慮する。本研究を遂行する上での計画の大きな変更はない。・基盤A(課題番号:23242039):課題名:新しい言語教育観に基づいた複数の外国語教育で使用できる共通言語教育枠の総合研究:研究代表:西山教行・基盤C(課題番号:24520520):課題名:語彙分類の理論的整備に基づくシソーラスの改良に関する研究:研究代表:山崎誠
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