研究課題/領域番号 |
22520451
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
山部 順治 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (00330598)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | オリヤ語 / ベンガル語 / 日本語 / 文法変異 / 文法変化 |
研究概要 |
本研究は、インド東部・オリッサ州の定住ベンガル人コミュニティー(社会集団)における言語接触を中心に取り上げる。基礎的資料の収集・整理に力点を置く。同ミュニティーで起こっている言語接触に関して得られる知見を、日本で起こっている言語接触に関する研究成果と突き合わせ、インドと日本それぞれの事例の特質を明らかにする。 今年度(24年度)は、3月~4上旬の一か月間、インド・オリッサ州・カタック市で、調査を実施した。オリヤ語とカタック・ベンガル語(オリッサ州・カタック市で話される非標準的ベンガル語)について、1人の話者との面接を期間中毎日4時間~5時間行った。少数の項目については、この話者以外の数人にも情報提供を求めた。調査項目は、平成22・23年度(1・2年目)のものを発展させた。特に、格関係の文法を重点的に調査した。記録方法としては、主に、ノートに筆記しその内容をパソコンに入力した。この他、録音、映像によった。 国内では、インドで23年度までに実施した調査で得た資料を整理した。同調査で得た資料に基づき、オリヤ語とカタック・ベンガル語について、次の論点について考察した。共時的に、それぞれの言語の文法の分析。両言語の構造的な異同と、社会内での共存実態。歴史的に、現状へ至った経緯。 日本語内部にある文法的な変異についても、アンケート、インターネット上のテキスト検索、(断片的な)面接調査によって、資料収集調査を行った。インドと日本での調査で得た資料や研究文献からの資料に基づき、両地域における言語接触のありかたについて考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インド・オリッサ州での調査に関しては、主な調査協力者とともに詳細にわたる資料が収集できた。一方、調査対象の人数を増やすことに腐心している苦心している。国内における調査に関しては、資料収集やその手法改良を大きく進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりである。インド・オリッサ州で毎年度約一か月間、資料収集調査を実施する。国内ででは、インドで得た資料を整理し、また、日本の対照的事象について調査と考察を行う。
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