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2010 年度 実績報告書

名詞の形式化・文法化にみる日本語の構文構造史

研究課題

研究課題/領域番号 22520464
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

宮地 朝子  名古屋大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (10335086)

研究分担者 片岡 喜代子  九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (80462810)
キーワード名詞の文法化 / 否定極性 / 助詞 / 助動詞 / 非存在文 / 叙述 / とりたて
研究概要

本研究課題は、平成19-21年度若手研究(B)「形式名詞の文法化に関わる日本語の構文構造史的研究」の最終年度前年度応募による発展的課題である。日本語の名詞の形式化・文法化現象に着目し、その動態・変化を支える普遍の構造に迫る。形式名詞、形式副詞、~助詞、助動詞等とされる分類をひとまず措き、形式化・文法化を果たした名詞個々の歴史・地理・共時的多機能の動態を現象面から観察分析する。「名詞の形式化>文法化」という把握のもと、名詞としての多機能・諸用法の実現可能性を見極めながら、個別名詞の語彙的意味による条件・制約、普遍・一般としての構造的条件・制約、語用論的条件・制約の相互作用としての説明を目指す。
計画初年度においては、前課題の成果の公刊により、否定文(及び非存在文)という構文環境を名詞の文法化の原動力となる再分析の重要な段階とする仮設的提言を発表した。また、名詞の形式化・文法化の具体例として「丈>ダケ」の変化を報告した。「切(限)り>キリ」他についても用例採取、整理と論文化を進めている。
また、ホカ句について、前課題で明らかにした名詞句としての多機能の様相を前提に、歴史的変化についても用例採集・分析を進めるとともに、分担者の協力のもと理論的な構造上の位置づけについて考察を進めている。ホカ句は否定述部とともに叙述の構造をなして除外解釈を持つが、否定との拘束関係はなく現代共通語では助詞化も認められない。否定述部と拘束関係を持ち"助詞化"しているシカ句との違いについて、ホカの語彙的意味上の特性と名詞句としての統語的性格によって説明する仮設的見解を得て、日本言語学会での発表を予定している(採択決定)。
なお、代表者の参画する関連研究プロジェクトにより、日本語の体言締め文の歴史的研究、名詞一語文にかかわる学説史的展開についても発表等を行い、本研究課題の推進に示唆を得ている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] (書評)沼田善子著『現代日本語とりたて詞の研究』2010

    • 著者名/発表者名
      宮地朝子
    • 雑誌名

      日本語の研究

      巻: 6(3) ページ: 144-150

  • [学会発表] ホカとシカの意味特質と統語的条件2011

    • 著者名/発表者名
      片岡喜代子・宮地朝子
    • 学会等名
      日本言語学会第142回研究(採択決定)
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2011-06-18
  • [学会発表] 日本語の体言締め文の歴史2010

    • 著者名/発表者名
      宮地朝子
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト第4回共同研究集会
    • 発表場所
      国立国語研究所
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] 山田孝雄「喚体句」着想の淵源2010

    • 著者名/発表者名
      宮地朝子
    • 学会等名
      名古屋大学グローバルCOEプログラム第9回国際研究集会「ことばに向かう日本の学知」
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-09-10
  • [図書] 日本語否定文と文法化-シカ類の変化と変異を中心に(加藤泰彦ほか編『否定と言語理論』収載)2010

    • 著者名/発表者名
      宮地朝子
    • 総ページ数
      477(170-192)
    • 出版者
      開拓社
  • [図書] ダケの歴史的変化再考-名詞の形式化・文法化として(田島銃堂編『日本語学最前線』収載)2010

    • 著者名/発表者名
      宮地朝子
    • 総ページ数
      754(425-446)
    • 出版者
      和泉書院

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公開日: 2012-07-19  

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