日本人の言語をロシアで記録した資料がある。また日本人がロシア語を記録した資料もある。こうしたものをロシア関係語学資料と総称しておくと、ロシア関係話学資料は次のような総体を持つと思われる。 1ロシア関係語学資料 1.1外国資料 1.1.1ロシア資料(1.1.1.1ゴンザ資料、1.1.1.2レザノブ資料、1.1.1.3タタリノフ資料) 1.2国内資料 1.2.1洋学資料 1.2.2、記録資料(1.2.2.1環海異聞etc.) 本研究はこれらロシア関係の資料を総合的に分析し、個々の言語事象を究明しつつ、日本謳資料として位置付けることが目的である。 本年度は旧年度から引き続き、レザノフ資料を利用して、(1)語中尾の子音有声化と母音無声化を明らかにし、それを活字化したとともに、あらたに (2)敬語体系について分析した。レザノブ資料の被調査者となった善六は仙台石巻出身であり、東北地方の方言の資料は数少なく、詳細は活字論文に譲りたいが、大変、重要な視点を提示することができたと考えている。その漂流民の記録、『環海異聞』は仙台で記録されており、その資料が宮城県図書鋸に保管されている。震災の影響もあって、調査に行くことにためらいや抵抗があったが、県図書館に行くことによって有益な情報をえることができた。
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