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2010 年度 実績報告書

日本語における文法化の共時的側面に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520469
研究機関岡山大学

研究代表者

宮崎 和人  岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (20209886)

キーワード文法化 / モダリティ
研究概要

研究期間の初年度にあたる本年度は、文法化、モダリティ、否定、後置詞など、本研究に関わりのあるテーマを中心に、2000年以降の研究文献情報を収集・データベース化し、内外の研究状況の把握に努めた。特に、モダリティーに関しては、一般言語学の視点を有する、Heiko Narrog "Modality in Japanese-The Layered Structure of the Clause and Hierarchies of Functional Categories--"(John Benjamins、2009.3)の全文を訳出し、機能的カテゴリーの階層とモダリティの関係についての議論を中心に、本研究と関わりのある問題についての検討を行った。これと並行して、スキャナとOCRを利用したコーパス作成の作業を進め、約2.0MBのデータを得た。また、モダリティの文法化に関する事例研究として、日本語の認識的モーダル「だろう」の多義性に関する論稿をまとめた。この論稿の前半では、日本語のモダリティにおける「だろう」の位置づけを確認し、「だろう」がモーダル助動詞とムードの二面性をもつことを指摘した。後半では、「だろう」の多義性をめぐる議論として、プロトタイプ的意味である推量から派生的意味である確認要求への拡張と見る推量説、推量と確認要求の両者に適合するスキーマ的意味の抽出を目指す非推量説、両者を統合するネットワーク・モデルを紹介した上で、このモデルに適合するスキーマを提案し、さらに情報構造や文法化の視点を導入した。最後に、認識的モダリティが談話的機能を担うことの必然性を示唆し、本論のまとめとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] モダリティーとコミュニケーション2010

    • 著者名/発表者名
      宮崎和人
    • 学会等名
      2010年度文学部プロジェクト研究「コミュニケーションの本質と実践に関する総合的探究」
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-10-27
  • [図書] ひつじ意味論講座第4巻 モダリティII:事例研究「認識的モダリティの意味と談話的機能」2011

    • 著者名/発表者名
      宮崎和人
    • 出版者
      ひつじ書房(未定)

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公開日: 2012-07-19  

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