• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

室町中期の古記録・古文書に於ける記録語・記録語法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520472
研究機関熊本大学

研究代表者

堀畑 正臣  熊本大学, 教育学部, 教授 (30199559)

キーワード室町中期 / 古記録・古文書 / 中原康富 / 『康富記』 / 記録語 / 記録語法 / 異名と唐名 / 漢語副詞
研究概要

平成22年度は、中原康富『康富記』(記録期間1415~55)を調査文献として記述研究を行った。(1)「記録語」としては、「邂逅」「各出」「計會」「経廻」「結構」「(不)合期」「自愛」「併~」「斟酌」「中央」「張本」「張行」「為體」「同篇」「突鼻」「比興」「秘計」「奔波」「與奪」「例式」「〓弱」等が見られた。(2)「異名と唐名」として、「異名」では「回祿(火災)」「歓楽(病)」「五明(扇)」「八木(米)」「八座(参議)」「丹州(丹波・丹後)」「讃州(讃岐)」「勢州(伊勢)」等が見える。「唐名」では「亞相(大納言)」「羽林(近衛府)」「給事中(少納言)」「金吾(衛門府)」「黄門(中納言)」「戸部(民部省)」「職事(蔵人頭・蔵人)」「丞相(大臣)」「夕郎(蔵人)」「仙洞(太上天皇・院)」「武衛(兵衛府)」「李部(式部省)」等が見えた。(3)「漢語表現・漢文表現」としては、「況(んや)於~乎」「曽(て)不~」「宜(しく)~べし」や「不可勝計(あげてかぞふべからず・〔ショウケイスベカラズ〕)」等が見える。(4)「記録語法」としては、「有御~(御~あり)」「以~被~(以て~らる・られる)」「被下~(~を下さる)」、形式名詞の用法に「~之間」「~之處」「~時」の他に「~之段」や「~之篇」等が見える。(5)「病の語彙」として、「違例」「疫病」「虚氣夭シ病」「御悩」「下風腫物」「痔所勞」「〓+食=シキ」「邪病」「辛勞」「中風」「腫物」「腹病」「風氣」「御不豫」「疱瘡」「虫腹」等が見える。(6)「唐代口語」の名残としては「向後」が見えた。(7)漢語副詞として、「一往」「結局」「始終」「須臾」「惣別」「大概」「大略」「萬一」「委細」等がある。畳字には「少々」「濟々」「内々」「面々」「能々」等がある。『康富記』は儀式の様子(有職故実)をしっかり記録する傾向にあることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 室町中期以前の「生涯」の意味-小学館『日本国語大辞典』(第二版)等の「生涯」の意味記述をめぐって-2010

    • 著者名/発表者名
      堀畑正臣
    • 学会等名
      第二三四回 筑紫日本語研究会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-12-26

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi