研究課題/領域番号 |
22520475
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
松永 修一 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (40312318)
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研究分担者 |
岸江 信介 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (90271460)
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キーワード | 九州方言 / 宮崎方言 / 鹿児島方言 / デジタルアーカイブ / 談話資料 / プロソディー / 方言音声 / 言語変化 |
研究概要 |
本研究では、松永、岸江の90年代以降の自分たちで行った調査や、過去の埋もれている貴重な資料の再発掘とデータベースの構築を目指し、南九州、特に宮崎県における在来方言の自然度の高い談話資料をデジタル化し、プロソディー研究、談話研究資料として利用できるようなデータ形式として、公開の準備を行うものである。特に明治・大正生まれの話者たちの音声データは、ほぼカセットテープなどのアナログのデータであるが、通常の保存でも劣化による損傷が目立ってきており、デジタル化の緊急性は増している。音声だけでなく、8mmビデオやDVテープの動画資料も加え、資料価値が高いデータの選別は、まず、大容量HDストレージへの格納が必要である。23年度において、これらの作業の大部分は、完了することができた。 資料チェックの過程で、アナログ再生機器の老朽化によって音声のクオリティーが劣悪なものも発見した。また23年度は磁気転写による音声資料や録音クオリティーがもともと低くノイズの多いものも、デジタル化した後、ノイズを除く作業をソフトウェアベースで可能にする技術を専門家から得られたので、スキーム化することが可能になった。 データベース化とWebによる公開の準備も、データベースに関してはパイロット版を、また文字化資料に関して新たに都城市の中年層の自然談話の文字化資料とデジタル音声集を作成し、20年前の若年層調査におけるデータの経年調査の資料として分析する準備を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デジタルアーカイブ化はほぼ終了したものの、機械の不具合でノイズが多発していることが分かり約1/3のやり直しをおこなった。また、それに伴い、音声のタグ付けと文字化作業が大幅に遅れ、予定の作業は完了することはできなかった。 アナログ再生機器の予想以上の老朽化が要因の一つ。
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今後の研究の推進方策 |
データベースを公開するにあたって、話者の許諾の確認ができない資料について、本人およびご家族への連絡を可能な限り試み、問題が生じないように努力していきたい。 アナログ機器の老朽化による不具合が多発してきたので、程度の良い中古機器の利用、また専門家からのメンテナンスのノウハウを得、効率的な作業を進めていく予定。
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