計画調書では、本研究は「データのダウンロード・コーパス化」、「分析・論文執筆・発表」および「文献・面接調査」の3本柱から成るものとして申請したので、以下この構成に従って報告する。 本年度は初年度ということもあり、次年度からの準備期間として各柱について以下の作業を行った。まず「データのダウンロード・コーパス化」については、導入予定であった法令データベースについて、新たに官報によって改正データを追う可能性が急遽浮上したため、製作業者に問い合わせるなどして今一度慎重に検討し、結局次年度より当初のデータベースを導入することを決定した。また、条例のコーパス化についても進捗を図ったが、フォーマットの不統一がネックになり斉一的な収集が困難であることが判明したため、善後策を模索した。 「文献・面接調査」については、法制定過程・内閣法制局などに関する文献やインターネット上での情報収集を行った。ここでは法制定過程に関する情報整理を行うとともに、次年度に予定しているインタビュー調査や今後の分析の体制を整えた。 「分析・論文執筆・発表」では、6月に国立国語研究所で開催された「多角的アプローチによる現代日本語の動態の解明プロジェクト」第2回研究発表会において、ここまでの研究成果を口頭発表し、参加者と討議を行い、今後の研究への有益な助言を得ることができた。最後にこうした成果を松田(2011)として論文にまとめ、今年度の研究の締めくくりとした。
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